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【災害リスクに備える石川県の家づくり】大雨による床上浸水体験談 VOL.3「床上浸水がもたらす生活への影響」
過去二回にわたって、自身が体験した床上浸水の体験談をご紹介してまいりました。
今回はいよいよ完結編 VOL.3「床上浸水が生活にもたらす影響」をお伝えします。
おうちコンシェルイオンタウン金沢示野店のスタッフHです。
※過去の記事はこちらからお読みいただけます。
[床上浸水]体験談 VOL.2 「被災した場合にするべきこと」
【目次】
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1.生活にもたらす影響
浸上浸水によって、生活への大きな影響が二つありました。
それは、金銭的影響と精神的影響です。
<金銭的影響>
- 中古車2台購入費用
- 住宅の復旧費用(床下消毒、フローリング・クロス張替え、床断熱施工等)
- 仮住まい・引っ越し費用
が必要になりました。12月末に住宅の復旧が完了する予定ですが、上記の3つで総額約1,170万円かかりました。
うち損害保険の給付金で約950万円、国や市町村からの公的支援制度により約120万円給付を受けたので給付金の総額は1,070万でした。結果、残りの約100万円は自己負担で支払うことになりました。
車はできるだけ金額を抑えるために中古車を選びました。住宅の復旧は、エコキュートやエアコンの室外機、壁の断熱材や床暖房なども水に浸かってしまったので、これからも安心して住むために交換したいものがたくさんありました。
しかし、損害保険の範囲内では交換できず自己負担になるので諦めざるを得ませんでした。保険や住宅業界に携わっていることもあり、しっかりとした損害保険の保障内容に入っていましたが、損害保険金だけで全てを元通りにすることは難しいという結果になりました。
<精神的影響>
- 雨が降るたび不安になる
床上浸水の体験があまりにも衝撃的で、強い雨が降ると「今回は大丈夫だろうか?」と不安な気持ちを抱くようになりました。
母親に至っては「今の家を手放して、水が浸かない場所に行きたい」とまで言うようになりました。母親にとっては約60年慣れ親しんだ土地にも関わらずです。今回の浸水体験がトラウマになってしまったのかもしれません。
- 仮住まいによるストレス
二世帯住宅からアパートに移ることで、キッチンや洗面台、洗濯機やお風呂を共用で使うようになったので、母親との距離感が変わりました。そのため以前は感じなかったような不便さが出てきて、お互いに普段は気にしなくても良いような配慮をするようになりました。
仮住まい生活も5カ月が経ち、なかなか元の生活に戻るのには時間がかかるなと感じています。
床上浸水はたった一晩の出来事でした。しかし、それによって私たち家族が受けた影響は今も続いています。
そう考えると、「災害に備えるために今できること」があるなら、やっておいた方がいいと誰もが思うのではないでしょうか?
次章では、後悔を少しでも減らせるために検討できそうな二つのポイントについてお話します。
2.後悔しないために
床上浸水を経験した事で、被災前の生活を取り戻すことがいかに難しいかを痛感しました。
記事を読んでいただいている皆様には同じような目には遭ってほしくありません。
全ての自然災害から完全に身を守る術はありませんが、万が一への備えとして以下の二つについて考えてみてはいかがでしょうか?
①自然災害のリスクを考慮して土地を選ぶ
生活をしていくうえで住む場所はとても大事です。
土地選びをする際は実家や勤務先までの距離、バスや電車など公共交通機関の利便性、お子様がいるご家庭なら学校までの距離や安全性などを踏まえて検討される方がほとんどでしょう。
それら土地選びの条件に「自然災害のリスクをなるべく避ける」という項目を加えてみてください。
自然災害は今回のような洪水以外にも、津波や高潮、土砂災害のリスクが挙げられます。
その土地にどんなリスクがあるかは、ハザードマップで事前に調べることができます。
参考:国土交通省HP【ハザードマップポータルサイト (gsi.go.jp)】
私は今回の災害で「死ぬかもしない」という命の危険を感じました。
「安全第一」という言葉が今ほど刺さる時はありません。勤務先までの距離や利便性が良い土地が見つかったら、忘れずに災害のリスクも調べてみてください。
おうちコンシェルでは、土地選びのご相談を受けた際や土地をご紹介する場合には、必ずハザードマップを用いて災害リスクを調べた上でご提案しています。
②水災への補償を考慮して火災保険を選ぶ
「自然災害のリスクが高い土地を選ぶべきではない」とお伝えしました。
では「ハザードマップでリスクの低い土地を選べば大丈夫ですよね?」と聞かれると正直困ってしまいます。
実は、私が住んでいた場所はハザードマップ上では「浸水想定外エリア」でした。
水害のリスクが低いと想定されるエリアだったとしても、近年の豪雨は予想をはるかに上回る雨が降っているのです。
国土交通省の調査によると、一時間に50ミリを超える短時間豪雨の発生回数が、1976~1985年の10年間の年間発生回数が平均174回だったのに対し、2010~2019年では平均251回と、約1.4倍に増加していることがわかりました。
私の家は浸水が想定されないエリアでしたが、万が一の事を考えて水災の補償に加入していました。そのおかげで想定外の出費をかなり抑えられたのです。
今から土地を購入しようとしている方も既にマイホームをお持ちの方も、これから準備ができるとしたら何があるでしょうか。そのひとつが「火災保険」だと思います。
火災保険では水災の補償に加入するかしないかを選択します。後から追加で加入することも可能です。
ハザードマップを確認し水災のリスクが低い土地だとしても、近年の気象の変化を考えると絶対に安心という場所はほとんどないでしょう。
冒頭で、今回の災害によって自己負担が100万円かかってしまったとお話ししました。
水災の補償に入っていたとしてもこれだけの金額がかかったのですから、入っていなかった場合の出費を思うと、水災の補償を検討してみる余地はあると思いませんか?
参考:国土交通省管理HP【近年の水災害発生状況 | まち全体で、みんなで水災害に備える | 水災害に備える | カワナビ (mlit.go.jp)】
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。床上浸水が生活にもたらす影響は、私にとってとてつもなく大きいものでした。
金銭的な影響はもちろんのこと、精神的な影響がこの先いつまで残るのかは当事者である私たちにもわかりません。
今どんな住まいに住んでいようとも、何かしら防災の備えはできるはずです。
思い立ったが吉日。今日やれることから始めてみてはいかがでしょうか?
おうちコンシェルでは土地選びもサポートしております。土地選びで後悔したくない方、気になる土地があって相談してみたい方はぜひ店舗にお越しください。全力でサポートさせていただきます。
全三回にわたり床上浸水体験談をお伝えしてきました。ここまでお読みいただきありがとうございました。
この体験談が少しでも皆様の今後の参考になれば幸いです。
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