フラット50はどうだろう
11月も今日で最後、いつも以上にお店前の通りは車通りが多く
師走の足音を感じます。
さて、2009年にリリースされたものの今一つ注目度が低い住宅ローン
フラット50について検証してみたいと思います。
考えるきっかけになったのは、先日、某金融機関の方が、それこそ ふらっと
当店に立ち寄られ、ゆるーく勧めてこられたからです。
フラット50とは、返済期間が最長50年という、ゆっくーり返済できる
住宅ローンです。ぱっと思い浮かぶ印象としては
「毎月の返済額が減るけど、利息は増えるよね、だからまだ収入低めの若い人向け」
くらいのイメージしかありませんでした。
検証のきっかけを頂いたので、色んな切り口から使える度合を考えてみます。
★主な利用条件
・建物が長期優良住宅
・最終返済年齢が80歳未満(つまり、50年借りる場合は借入時29歳以下)
・購入価格の60%までで、残りは35年で借りる
・親子リレー可(その場合は、この年齢で判断)
【事例】
・29歳の人が2,700万円を50年借入
・金利は50年の部分は1.54%、35年の部分は1.17%
この場合、全額フラット35を利用すると 月返済額 78,374円 総返済額3,292万円となる
一方 60%をフラット50、残りをフラット35利用した場合は
35年間の月返済額が69,160円、36~50年の月返済額が43,036円 総返済額3,679万円となる
このデータをもとに金融機関の推しポイントを検証してみる
1.月の返済額が下がる(返済負担率が下がる)ことにより、多くのお金が借りられる
上記試算だと、35年を50年にすることで返済額が1割ほど減っています、つまり
35年返済では今の年収で2,700万までしか借りられない人が3,000万近くまで借りられる
ということになります。うーん微妙ですね
2.若いうちは子育て等にお金がかかるので、月の返済を少なくしてあげないと
上記の通り、返済額が1割ほほど減ります・・・が、返済総額が400万ほど増えています
負担感を減らせた効果にしては失うものが大きく感じます。この場合、減らした金額を
ローンの金利以上の利回りで運用することで、結果的に35年返済より有利な結果を
もたらそうという発想はアリかと思いますが、家計がカツカツな状態では
それもできません。
そんな感じで、実際計算してみると、やっぱり使いにくい商品だなと再認識しました
でも、何か他にないかなと考えていたら他の視点が出てきました。
それは団信に関するものです。
ローンの返済途中に死亡した場合にローンが消えることを考えた場合、計算してみると
50年返済の場合は69歳以下で団信発動すると、総返済額が35年返済を下回ります。
さらに、親子リレーの場合で、仮に65歳の親が29歳の子供を連帯債務者とした場合
親が80歳未満で死亡した場合、ローンが消えます(フラット以外の場合は親が死亡しても
団信は発動しない)(親が80歳を超えると、団信は子供に引継ぎ)
んーーーー、書いてて思ったのは、人の命でバクチすんな!(自分)
ということで、やっぱり活用の難しいフラット50という結論でした。
おうちコンシェル 黒田