複雑化する住宅ローン
最近、住宅ローンの仕組みがどんどん複雑化してきています。
中でも、短期固定金利型(2,3,5,10年固定)の商品に多く
みられる傾向です。
住宅ローンの金利は 店頭金利―優遇金利という公式で
多くの金融機関が設定しています。例えば、店頭金利2.3%
優遇金利1.6%なら、0.7%が貸出金利となります。
やっかいなのは優遇金利の取り決め方法です。
昔はシンプルに借入期間の全期間に渡り優遇金利は一定の場合
が殆どでしたが、最近ではこれが変化するようになってきています。
例えば、3年固定金利で借りた場合、3年間は優遇金利が1.6%でも
その後は優遇金利が1.1%になる、つまり店頭金利が変わっていなくても
返済額が上がることになります。
借入時に優遇幅がどう変化するのかわかるケースはまだマシな方で
わかりにくいのは、「取引状況に応じて決まる」
タイプのものです。
簡単に言うと、借り入れた金融機関で何らかの取引をしてくれたかどうか
ということです。取引って何か
・給与振込に利用
・公共料金の引き落とし
・提携クレカの申し込み
・積立て預金
・投資信託の購入
など、項目によってポイントが付与され、獲得ポイントによって
金利が決まる(だいたい3,4段階に分かれる)
1段階毎に0.5%程の開きがある!
一番上のステージでも当初の金利を上回るケース多数!
ホームページなどで公開していないケース多数!!
これってつまり固定期間更新毎に金融機関が抱き合わせ販売
をできるシステムです。例えば、今現在2番目のステージなので
投資信託100万円買ってくれたら一番上のステージになり、金利は
ちょっとしか上がりませんよみたいな
多くの人は、借入当初の金利、保証料の有無など、最初の1年の情報
で住宅ローンの有利不利を判断しています。その傾向を利用して・・・
まーうまく考えたものだと思います。
2年固定35年で借りて、3年後に0.5%金利が上がってしまえば
保証料分など簡単に上回ってしまいます。
しかし、金融機関にとっては、簡単に比較しにくい仕組みの方
がやりやすいですもんね。裏を返せば、仕組みを複雑化させている
ところは、もともと他の金融機関よりも不利な条件である可能性
が高いということです。
現在でも、取引条件に関係なく、全期間優遇金利が変わらない
ところもあります。条件がシンプルな方が返済プランを立てやすい
のは言うまでもありません。
今でも借換えのご相談はとても多いですが、2,3年後はもっと
増えそうな予感がします。