住宅ローンの裏側
以前にもお話ししましたが、民間銀行の住宅ローンは貸せば貸すほど
赤字状態となるほどの低金利融資を続けています。
今回は、住宅ローンという商品が持つ銀行内部での特異性についてのお話しです。
銀行には自己資本比率というものが定められています。
ちょー簡単に表すと
A/B×100=C の計算式で、C(自己資本比率)は8%以上で
大きいほどGOODだということです。
逆に8%切ってしまうとマズイんです。
ポイントはいかにBの値を小さくする(大きくしない)かということなのですが
例えば、企業に1,000万円貸し出すとBは1,000万円増えます
企業にすぐ返せと迫る貸しはがしは、自己資本比率を保つために行われる
ものです。
しかし、住宅ローンに1,000万円貸し出すとBは500万円しか増えません。
同じお金を貸し出しても住宅ローンに貸し出した方が自己資本比率は
高く保てるわけです。
さらにBを大きくする要素として、貸倒引当金というものがあります。
返済不能に備えて積み立てるお金なのですが、住宅ローンはこれが
ほぼゼロですみます。
そのような意味で、あらゆる面でリスクが高くなる企業融資よりも
住宅ローンの販売に積極的になっているとも言えます。
ちなみに、銀行が国債を購入する場合は、なんとBは全く増えません
石川県の某大手地銀の預金残高は約5兆円、そのうちの8割を国債運用
した場合の年間利息は約600億!預金者への利息は1億!
599億の利益!!自己資本比率への影響ゼロ!!
ローンが多少赤字でも、それがきっかけで預金量が増えればもーかり
まんがな。
黒田 健一